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「改正給特法」Q&A

​給特法改正によって2020年4月1日より「時間外勤務時間」の上限が定められました。そのポイントをQ&Aで解説します。

Q「時間外勤務時間」の上限とは?

A:法的拘束力のある「文部科学大臣告示で、時間外勤務の上限は「月45時間、年360時間」と定められました。ただし、その上限時間まで時間外勤務を推奨するものではありません。

時間外勤務には、
●取れなかった休息時間
●学校外での時間外勤務
●土日、祝日、年末年始の休日の業務
●校長が直接命じない部活動、教材研究、事務処理、採点、家庭訪問、関係機関・団体等の打ち合わせ
​が含まれます。


Q「勤務外勤務時間」の記録はちゃんと取れるの?

A:時間外勤務時間の記録は、タイムカードやICTなどの客観的手法で行うこととのされています。校外の業務は、出張復命書や行程表、活動記録などにより把握することになっています。公務災害が生じた場合などに重要な記録となることから、公文書として管理・保存されることになります。

また、実際の時間より短い時間を記録したり、させたりすることはあってはならず、状況によっては、懲戒処分の対象となります。


Q宮城ネットは給特法改正に対してどんなとりくみをしましたか?

A 宮城ネットをはじめ多くの教組は日教組に結集して、重要な付帯決議を勝ちとりました。そして付帯決議にもとづき県教委に以下の要求書を提出し交渉を行いました。

内容については県教委とすべて合意しました。今後はこの合意内容の実効性を検証していくことが重要です。

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2020年2月15日 

 

宮城県教育委員会 教育長 伊東 昭代 様 

 

 

                            

宮城高校教育ネットワークユニオン代表 福島 隆嗣 

 

 

「公立学校の教職員の業務量の適切な管理その他教育職員の服務を監督する教育委員会が

教育職員の健康及び福祉の確保を図るために講ずべき措置に関する指針」の実効化について(要請) 

 

 貴職におかれましては、日頃より、学校教育の推進にご尽力されていることに対し敬意を表します。 

さて、1月17日、文科省は、第200回臨時国会における給特法の改正をうけ、「公立学校の教職員の業務量の適切な管理その他教育職員の服務を監督する教育委員会が教育職員の健康及び福祉の確保を図るために講ずべき措置に関する指針(以下 針)」を告示し、自治体に対し、4月1日の施行日より教員の業務の適切な管理を行うよう、条例や教育委員会規則等の整備を促しました。 

 文科大臣告示(指針)は、教員が校務として学校教育に必要な業務を行っている時間を「在校等時間」とした上で、「時間外勤務時間」の上限を示し、服務監督権者に対し業務量の適切な管理を命じています。宮城県教育委員会においては、「改正給特法」及び指針を参考に条例改正及び教育委員会規則の制定、「在校等時間の上限に関する方針(以下 上限方針)」を策定し、「学校の働き方改革」の一方策として、法令にもとづいた「在校等時間」の縮減にとりくむことをお願いいたします。 

 また、指針は、教員の適正な勤務時間管理に係る極めて重要な勤務条件の変更にあたることから、教育委員会規則及び上限方針について、以下、要請します。

 

記 

 

1.すべての公立学校にICT、タイムカード等の客観的な勤務時間管理システムを整備すること。

 

2.教育委員会規則において、「時間外勤務時間の上限時間」について、「1か月45時間、1年360時間」を明記すること。 ただし、その上限時間まで時間外勤務を推奨するものでないことを明確にすること。 

 

3.児童・生徒等に係る「臨時的な特別な事情」による特例的な扱いについては、例外的かつ突発的な場合に限定すること。 

4.「在校等時間」は、通常、出勤から退勤までの時間であり、学校外での時間外業務時間、土日、祝日、年末年始等の休日の業務時間を含めること。その際、部活動、教材研究、事務処理、採点業務、家庭訪問、関係機関・団体との打ち合わせ等、一切の業務が対象となること。 

 

5.「時間外勤務時間」は、①所定の勤務時間開始までの業務時間、②所定の勤務時間終了後の業務時間、③取得できなかった休憩時間を合算すること。 

 

6.在校等時間の記録は、ICTやタイムカード等で客観的に管理した上で、公簿として適切に保管すること。なお、保管期間は、5年とし、下記の(ア)から(ウ)についても遵守すること。 

(ア)公務災害などの場合の判定資料とすること。 

(イ)常時、本人が確認できる環境を整備すること。 

(ウ)業務削減、業務の平準化・適正化にむけ、「衛生委員会」等において共有をはかること。 

 

7.休憩時間や休日の確保等に関する労働基準法等の規定を遵守すること。 

 

8.業務終了から、翌日の業務開始までに、一定時間以上の継続した休息の時間を確保すること。 

 

9.上限時間を超えた場合は、業務分担や適正化等の必要な措置を講じること。さらに労働安全衛生法にもとづき、「時間外勤務時間」が80時間/月を超える教員については産業医への報告、医師との面談を実施すること。 

 

10.「持ち帰り業務」について、上限時間を守るために「持ち帰り業務」が増加することがないよう、 実態把握に努めるとともに、「持ち帰り業務」の縮減のとりくみをすすめること。 

 

11.教育委員会は、教職員の勤務時間管理が適切にされるよう指導や周知、条件整備をはかること。 

 

12.教育委員会は、校長が「在校等時間」の虚偽記録を報告するようなことがないよう指導すること。 また、校長が法令、条例・規則などで定められた制度を逸脱した運用をした場合は、懲戒処分等の  対象となり得ることを周知すること。 

 

13.人事委員会等に対して措置要求ができることを教職員に周知すること。 

 

14.教育委員会規則及び方針の運用面の不備について、教職員が通報・相談できる窓口を教育委員会内に設置するとこと。

 

15.教職員をはじめ、保護者・市民等への条例改正・規則等の制定を周知すること。 

 

16.教職員の長時間労働是正のための業務削減、必要な人員の配置等、必要な方策に引き続きとりくむ こと。 

以上

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